日本たばこ産業(JT)の将来性・安定性・働きがい|JT投資魅力度と転職魅力度を徹底解説!

日本たばこ産業(JT)の将来性・安定性・働きがい|JT投資魅力度と転職魅力度を徹底解説!

売上2兆円を超える巨大企業 日本たばこ産業(JT)。国内のタバコ消費量が減少する中で、海外の積極的なM&Aにより安定的な売上、利益をたたき出しています。

この記事では、日本たばこ産業に興味がある人、転職を考えている人や、株式投資を考えている人に日本たばこ産業の事業内容、業績、口コミを分析するとともに、企業理念や経営陣のリーダーシップについてもまとめました。

日本たばこ産業に興味のある方は、是非ご覧下さい!

JTの総合評価

日本たばこ産業を、業績(会社の成長性、会社の安定性)、職場環境(働きやすさ、チャレンジ・やりがい)、ビジョン(企業理念、経営陣のリーダーシップ)の3つの切り口、6つのポイントで評価しました。それぞれ5点満点で評価しています。

JTの転職魅力度

総合的な評価としては、成長性は可もなく不可もなくですが、業績の安定性は抜群です。また、働きやすさはかなりよく、超ホワイト企業です。但し、社員の心をひきつけるような企業理念はなく、経営陣のリーダーシップもあまりなさそうです。ワークライフバランスや職場環境を重視する人には非常にいい会社ですが、チャレンジ精神のある人には、物足りない会社かもしれません。

JTの投資魅力度

JTは、積極的なM&Aにより海外たばこ事業が成長してきています。これまでは国内たばこ事業の売上減少により、全体の売上は横ばいに推移してきましたが、海外たばこ事業の比率が増加しており、今後は売上が増加していくと思われます。海外たばこ事業の成長率は一桁台ですので、爆発的な成長を期待することは難しいです。また、企業理念や経営陣のリーダーシップを見ても、今後果敢に挑戦していくということは考えられず、安定成長銘柄と見るべきでしょう。

JTは急激な成長は見込めないものの、毎年安定的に配当を行っており、配当性向の高い銘柄です。成長株を探している場合は今一つですが、配当性向も含めた安定的な利回りを期待している方にとっては魅力的な銘柄かと思います。

世界のタバコ市場

調査会社のIMARC Groupによると、2018年の世界のタバコの出荷量は820万トンでした。先進国を中心に、タバコへの風当たりが強まっており、喫煙者が減少傾向にありますが、新興国ではまだまだ、タバコの消費量は増加しているようです。実際に、2011年~2018年の7年間、年平均1.5%のペースでタバコの出荷量が増加してきています。また、タバコの出荷量は今後も増加し2024年に910万トンに達すると予測されています。

日本や先進国では、以前はタバコは「格好いい」といった印象を持つ人も多かったと思いますが、最近では、喫煙者の肩身が狭く、格好いいというイメージはなくなりつつありますよね。ただ、世界最大のタバコ市場の中国や、新興国では、まだまだタバコは格好いい、クールといった印象を持つ人が多いようです。

世界の人口はまだまだ増加してますし、新興国での需要の拡大で、タバコの市場規模は当面は成長を続けそうです。

ちなみに、世界のタバコ市場は、5社によって寡占状態にあります。5社とは、中国煙草総公司、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、日本たばこ産業、インペリアル・ブランズです。寡占化されているタバコ市場は、新規参入のハードルが高く、今後も5社による寡占状態が続くと思われます。もちろん、参入障壁に守られてはいますが、5社間で競争があることは忘れてはいけませんが。

JTのビジネス・事業内容

日本たばこ産業は、日本専売公社のタバコ事業を引き継ぐ形で設立されました。日本たばこ産業は、日本たばこ産業株式会社法によって3分の1以上を日本国政府が保有することになっており、政府(財務大臣)が37%(2019年3月末時点)を保有しており、日本国政府が筆頭株主の会社です。

主力のたばこ事業以外にも医薬品事業や加工食品事業を手掛ける

JTの主力事業は、たばこ事業。たばこ事業は、JT全体の9割弱の売上を占めており、営業利益の95%をたばこ事業が稼いでいます。たばこ事業以外には、医療用医薬品の製造販売を行う医薬品事業や、ご飯・パンや麺などの冷凍食品や、調味料などを販売する加工食品事業を展開しています。医薬品事業や加工食品事業は、JT全体の売上に占める割合は少ないですが、それでも医薬品事業の売上は1千億円以上、加工食品事業は1千6百億円以上の売上をあげる巨大ビジネスです。

(JTの会社案内資料より)

積極的なM&Aにより海外たばこ事業が主力に

主力のたばこ事業は、国内たばこ事業と海外たばこ事業に分かれています。もともとは国内たばこ事業が主力でしたが、国内でのたばこへの規制強化の流れもあり、国内たばこ事業の売上は年々減少しています。一方で、積極的な海外でのM&Aによって、海外たばこ事業は成長しています。現在では、海外たばこ事業の売上は、国内たばこ事業の約2倍の規模を誇るJTの主力事業になっています。

JTの海外生産拠点(たばこ事業)の地図を見ると、JTが世界で事業を展開していることがわかります。

(JTのFact Sheetsより)

JTは、国別の売上高は公表していませんが、海外の主な市場(Key Market)としてフランス、イタリア、ロシア、スペイン、台湾、トルコ、イギリスをあげています。JTの世界のマーケットシェアは8%ですが、主要市場では、それぞれの国で20%以上のシェアをあげており、台湾やイギリスでは40%のシェアを誇るなど、高いマーケットシェアをあげています。尚、日本でのシェアは61.8%と圧倒的な地位を維持しています。

(JTのアニュアルレポートより)

JTの経営理念・ミッション・WAY

時代の変化や、時として陥る危機を乗り越えて、将来にわたって、企業が永続するためには、会社のビジョン・理念やミッションは、結構大事です。

ほとんどの会社では、創業者や経営陣が、ビジョン・理念やミッションを、考え抜いて作ってはいますが、それを従業員や株主、社会が共感するかどうかは別の話です。従業員は、会社のビジョン・理念やミッションに共感していないという会社は多くあります。

より多くの従業員がビジョン・理念やミッションに共感すると、会社への忠誠心が高まり、貢献しようという意欲が増し、パフォーマンスが高まり、会社の成長へつながるという好循環が実現できる可能性が高くなります。

一方で、従業員が共感できないようなビジョン・理念やミッションを掲げている会社は、従業員がその会社で働く意味がわからず、やりがいを感じられなくなる可能性があり、その結果、従業員のパフォーマンスの低下、生産性の低下によって、企業の成長が鈍化するリスクもあります。

JTでは、経営理念、JTグループミッション・JTグループWAYを掲げています。正直なところ、この経営理念、ミッション・WAYに共感している従業員はどれほどいるんだろうという印象です。総花的な経営理念を掲げていて、何を重視しているのかよくわからない経営理念だと思います。ミッション・WAYについても、きれいな文章ではありますが、心を揺さぶるような内容ではないかなと思います。

主力のタバコへの風当たりが強いこともあり、また、健康を害する商品でもあるので、心を揺さぶるような理念やミッションを作るのは難しいとは思いますが・・・。
政府が筆頭株主の会社ということもあるんでしょうか。

JTの経営理念(4Sモデル)

お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく

■ 4Sモデルを通じ、中長期の持続的な利益成長を実現
・お客様に新たな価値・満足を継続的に提供
・中長期的視点から、将来の利益成長に向けた事業投資を実行

■ 4Sモデルの追求が、中長期に亘る企業価値の継続的な向上につながり、4者のステークホルダーにとって共通利益となるベストなアプローチであると確信

( JTのホームページより )

JTグループミッション

私たちJTグループの使命。

それは、自然・社会・人間の多様性に価値を認め

お客様に信頼される「JTならではのブランド」を

生み出し、育て、高め続けていくこと。

( JTのホームページより )

JTグループWAY

そのために、私たち一人ひとりが 、

・お客様を第一に考え、誠実に行動します。
・あらゆる品質にこだわり、進化し続けます。
・JTグループの多様な力を結集します。

( JTのホームページより )

JTの業績(収益性・安定性・成長性)

JTの業績は極めて安定的に推移しています。売上は2.1兆円~2.2兆円の水準を維持し、営業利益も5,000億円台で推移しています。

セグメント別で見ると、国内たばこの売上が減少する一方で、積極的なM&Aによって海外たばこの売上が増加していることがわかります。国内の減少を海外の成長で補完しているといった形です。

少し詳しくJTの業績を見てみましょう。

売上

JTの売上(売上収益)の推移を見ると、ほぼ横ばいに推移していると言っていいでしょう。2.1兆円~2.2兆円の水準を維持していますね。

2018年の売上の内訳を見ると、国内たばこ事業が6,214億円、海外たばこ事業が1兆3,123億円、医薬品事業が1,140億円、加工食品事業が1,614億円となっています。過去のセグメント別売上の推移を見ると、国内たばこ事業は減少傾向にありますが、海外たばこ事業はM&Aにより増加傾向にあります。

今後も積極的なM&Aによって、海外たばこ事業が成長し、JT全体の売上の成長を牽引してくれることに期待したいです。

営業利益・EBITDA

JTの売上は成長しておらず、パッとしませんが、営業利益などの利益の安定性は抜群です。営業利益は、5千億円台を安定的に推移していますし、営業利益率も25%以上を維持しています。また、EBITDAも7千億円台を維持しています。

会計上の利益には、非キャッシュ性の損益も含まれているため、利益は安定していても、キャッシュフローが不安定な企業もあったりしますが、JTについては、営業キャッシュフローも非常に安定しています。また、営業キャッシュフローから運転資金の増減を除いたコア営業キャッシュフローを見ても、安定的に稼いでいることがわかります。

資産(バランスシート)

利益とキャッシュフローの分析から、安定的に稼いでいることがわかりました。続いて、バランスシートを見て、財務健全性もチェックしてみましょう。

2016年と2018年のJTの資産を比較してみました。積極的なM&Aによって、総資産は、4.7兆円から5.5兆円に増加しました。特に、M&A関連の資産であるのれん・無形資産は2兆円から2.5兆円に拡大していて、積極的にM&Aを進めてきたことが資産にも表れています。また、有利子負債も5千億円から1兆円にまで増加しています。

M&Aを進めるために、有利子負債を増加させた結果、DEレシオ(有利子負債÷純資産)も増加しています。2016年のDEレシオは、0.22倍でしたが、2018年には0.36倍に増加しています。一方で、現預金も3千億円弱保有しているので、現預金分を除いたネットDEレシオは、2018年時点でも0.26倍となっています。

どういったビジネスを行っているかにもよりますが、DEレシオは0.5倍以内であれば安全だと一般的に言われています。JTのDEレシオは増加傾向にはありますが、まだまだ安全な水準にあることがわかります。

ROA・ROE

最後に、収益性をチェックしてみましょう。

積極的なM&Aによって、資産が拡大する一方で、国内たばこ事業の売上・利益の減少によって、ROA(純利益÷総資産)は低下傾向にあります。2015年には10%を超えていましたが、2018年には7.1%になっています。

一方で、ROE(純利益÷純資産)については、2015年の19.4%から減少はしましたが、2017年が14.0%、2018年が14.3%と下げ止まっています。

JTのDEレシオはまだまだ低く、追加の借入余地はあると思われます。つまり、今後も借入を使ってM&Aを行うことができる可能性があります。借入を活用して買収することで、ROEを下げることなく、成長を確保できることが期待できます。

業績まとめ

世界的にも、特に先進国ではタバコに対する風当たりはありますが、まだまだタバコ市場の成長余地はあり、海外でのM&Aを進めることで、緩やかに成長を続けると思われます。

また、バランスシートはまだまだ健全な水準なので、借入を活用することで、当面は、ほぼ自己資金を使うことなくM&Aを進めることができそうです。

これまでは、国内たばこ事業の落ち込みを、海外たばこ事業の成長で何とかカバーするといった状況ではありましたが、今後、さらに海外たばこ事業の比率が上昇することで、いよいよ成長軌道に乗ってくれることを期待したいです。

JTの社員による口コミ

JTの社員による口コミを見ると、働きやすさは抜群のようですが、やりがいはあまり感じられないかもしれません。

口コミを一通り見た感想としては、経営陣への批判や不満の口コミがほとんどなかったことです。グループ全体の業績はそれほど悪くないですが、国内たばこ事業の売上は下がり続けているので、危機感を持った社員がいて、経営陣に対して批判的な人も一定数いてもいいかなと思うのですが。。。チャレンジ精神のある社員はほとんどいないのかもしれませんね。チャレンジ精神のある人は辞めていく人も多いといった口コミもありました。

ワークライフバランス、安定を求める人にとっては、おススメですが、チャレンジ精神のある方にはおススメではないですかね。

口コミまとめ

  • 労働環境やコンプライアンス意識が高い超ホワイト企業。サービス残業はなく、福利厚生が充実していて、産休・育休制度もあり、ワークライフバランスは◎。
  • 優しく穏やかな人が多く、職場の風通しはよく、雰囲気がよく居心地のいい部署が多い。上下関係も厳しくなく、先輩や上司との関係も良好。
  • 新しいことにチャレンジする企業文化ではない。リスクを取ることを嫌う。国内たばこ事業の売上が減少しているのに、危機感を持っている社員が少なく、危機感の薄い風土に不満を持つ社員もいる。
  • 将来の経営陣を育成するための取り組みを行っていて、優秀な人を囲い込もうとしている。志向の高い人は海外駐在を経験できることも。
  • 時代の変化に対応しよう経営陣がメッセージを出しているが、企業体質がお役所体質で、意思決定が遅かったり、無駄な労力がかかったり、変化できていない。

まとめ

カテゴリー 評価 コメント
会社の成長性 3点 海外が成長を牽引。ただ、全体としては、国内の売上減少と海外の増加がほぼ相殺しており、全体としては、あまり成長していない。海外売上比率は増加しており、徐々に海外売上の成長が、全社の成長につながりつつある。
会社の安定性 5点 収益性、利益は非常に安定。キャッシュフローも安定。積極的なM&Aを行っているが、FCFはプラスを維持しており、健全な事業運営。
企業理念 2点 総花的な理念。社員を含めたステークホルダーが共感できるような理念にはなっていない。
経営陣の
リーダーシップ
1点 口コミで、経営陣に対するコメントがほぼなし。社員が経営陣を意識することはないようで、リーダーシップも感じていないようです。
働きやすさ 5点 優しくて穏やかな社員が多く、職場の雰囲気はかなりいいみたいです。福利厚生も充実していて、サービス残業なしで、ワークライフバランスは◎。
チャレンジ・
やりがい
1点 お役所体質の保守的な企業文化。リスクを取ることを嫌い、チャレンジ精神はない。経営陣や一部の人は変化しようと頑張っているようですが・・・

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