ドラッグストア・調剤薬局業界の売上高・営業利益ランキングと、 ドラッグストア・調剤薬局 業界の業界の動向をご紹介します。
また、転職エージェントとして、多くの方の転職をサポートした経験から、ドラッグストアや調剤薬局へ転職を進めるにあたってのステップもご紹介します。
ドラッグストア・調剤薬局業界の動向
ウエルシアHDが売上首位を奪還
2020年のドラッグストア・調剤薬局業界の売上ランキング首位は、ウエルシアホールディングス(ウエルシアHD)がツルハホールディングス(ツルハHD)を押さえて2年ぶりに首位に返り咲きました。
ウエルシアHDは、新規出店に加えて積極的なM&Aにより店舗数を1,878店から2,012店を増加(7.1%増)させ、売上高は前年比11.4%増の8,683億円となりました。
ツルハHDは、新規出店は行いましたが、M&Aがあまりなかったことと、不採算店の閉店などがあり店舗数の拡大がウエルシアHDほどは進まず、売上は前年から7.5%増の8,410億円となりました。
来年はマツモトキヨシHDが首位に返り咲く見込み
ここ数年、ドラッグストア・調剤薬局業界の売上首位争いは、ウエルシアHDとツルハHDの一騎打ちでした。来年は、2016年まで21年間も売上首位の座を維持していたマツモトキヨシHDが首位に返り咲く見込みです。
マツモトキヨシは、業界7位のココカラファインと2021年10月に経営統合することになっており、売上高は1兆円規模に達する見込みです。
ただ、気になるのは、首位争いをしているウエルシアHDとツルハHDは、いずれもイオンが出資する企業であるということです。ウエルシアHDはイオンから50.6%の出資、ツルハHDはイオンから13%の出資を受けています。イオンが主導となって、両社の経営統合を進めるのではといった噂もあります。もし、この統合が実現すれば、売上高が2兆円にせまる巨大ドラッグストア企業が誕生することになります。
クスリのアオキ、ゲンキー、薬王堂が新規出店で急成長中
ドラッグストア・調剤薬局業界の各社のデータを見ると、クスリのアオキ、ゲンキー、薬王堂が新規出店によって、店舗数を急拡大させていることがわかります。この3社については、M&Aによる店舗の拡大ではなく、自社による出店での拡大を基本戦略にしています。クスリのアオキ、ゲンキー、薬王堂の店舗数の増加率は10%を超えています。自社出店だけで増加率が10%を超えるのは、この3社しかありません。
クスリのアオキは、前年の541店舗から89店舗増やし、630店舗に拡大させています。ゲンキーは252店舗から46店舗増加の298店舗、薬王堂は265店舗から32店舗増の297店舗となっています。ちなみに、増加率が最も高かったのはゲンキーで18.3%、続いてクスリのアオキが16.5%、薬王堂が12.1%でした。
M&Aに頼らずに自社出店で着実に成長を続けるクスリのアオキ、ゲンキー、薬王堂の今後にも注目したいです。
調剤薬局は引き続き苦戦
ドラッグストアによる調剤取扱店の拡大で競争激化
ドラッグストア各社が好調に売上高を伸ばしている一方で、調剤薬局は苦戦を強いられています。ドラッグストア各社が、利益率の高い調剤取扱店舗を拡大させてきており、ドラッグストアとの競合が徐々に激しくなってきているようです。
例えば、業界首位のウエルシアHDは、調剤取扱店を前年の1,284店舗から1,437店舗に増加させています。ウエルシアHDは調剤取扱店を積極的に増やしています。また、ココカラファイン、クリエイトSD、クスリのアオキも積極的に調剤取扱店を増やしています。
今のところ、大手調剤薬局各社は一定の収益を維持できてはいますが、そもそも規模においてドラッグストア大手に劣っていることもあり、ドラッグストアによる調剤取扱店の拡大は、大手調剤薬局各社の収益の影響も徐々に出てくると思われます。
M&Aによる成長に取り組むことで成長する調剤薬局も
ドラッグストアによる進出を受けている調剤薬局も、何もしていないわけではありません。
クオールやファーマライズは、M&Aによって成長を確保しようとしています。不採算店の閉鎖などによって、店舗数を減少させる調剤薬局もある中、アインホールディングスは6店舗、クオールは39店舗、ファーマライズは34店舗を買収し、店舗網を拡大させています。
ドラッグストア企業に比べると、調剤薬局ではM&Aはあまり積極的に行われてきてませんでしたが、今後は生き残りをかけて、M&Aによる成長を目指す企業も多くなるかもしれません。
★ 他の業界動向も知りたい場合は 注目業界一覧 をご覧ください★
ドラッグストア・調剤薬局業界ランキングまとめ
ドラッグストアや調剤薬局を展開する上場企業について、売上高、営業利益、営業利益率、成長率のランキングをご紹介します!
売上高ランキング(上位10社)
店舗数ランキング(上位10社)
営業利益ランキング(上位10社)
営業利益率ランキング(上位10社)
売上成長率ランキング(上位10社)
ドラッグストア・調剤薬局業界への転職
ドラッグストア・調剤薬局業界への転職を考えている方は、まずは転職エージェントに相談することをおすすめします。
転職エージェントに相談すれば、ドラッグストア業界・調剤薬局業界や仕事内容などについてきっちりと説明してくれます。また、各社の 選考の突破率を向上させるために、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策を受けることもできます。
また、自分だけでは見つけることのできない企業を紹介してくれるかもしれませんし、ドラッグストア業界や調剤薬局以外の様々な仕事も紹介してくるので、転職先の幅を広げることができます。
薬剤師の方におすすめの転職エージェント
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ドラッグストア・調剤薬局業界 上場企業一覧(売上高順)
順位 | 企業名 |
1 |
ウエルシアホールディングス 売上高 :8,683億円 |
2 |
ツルハホールディングス 売上高 :8,410億円 |
3 |
コスモス薬品 売上高 :6,844億円 |
4 |
マツモトキヨシホールディングス 売上高 :5,906億円 |
5 |
スギホールディングス 売上高 :5,420億円 |
6 |
サンドラッグ 売上高 :4,275億円(ドラッグストア事業) |
7 |
ココカラファイン 売上高 :4,006億円(ドラッグストア・調剤事業) |
8 |
クリエイトSDホールディングス 売上高 :3,196億円 |
9 |
クスリのアオキホールディングス 売上高 :3,002億円 |
10 |
アインホールディングス 売上高 :2,926億円 |
11 |
カワチ薬品 売上高 :2,703億円 |
12 |
日本調剤 売上高 :2,310億円(調剤薬局事業) |
13 |
クオールホールディングス 売上高 :1,532億円(保険薬局事業) |
14 |
バローホールディングス 売上高 :1,395億円(ドラッグストア事業) |
15 |
キリン堂ホールディングス 売上高 :1,333億円 |
16 |
Genky DrugStores 売上高 :1,236億円 |
17 |
薬王堂ホールディングス 売上高 :1,020億円 |
18 |
メディカルシステムネットワーク 売上高 :996億円(地域薬局ネットワーク事業) |
19 |
スズケン 売上高 :964億円(保険薬局事業) |
20 |
東邦ホールディングス 売上高 :961億円(調剤薬局事業) |
21 |
サツドラホールディングス 売上高 :893億円 |
22 |
トーカイ 売上高 :451億円(調剤サービス事業) |
23 |
ファーマライズホールディングス 売上高 :404億円(調剤薬局事業) |
24 |
メディカル一光グループ 売上高 :229億円(調剤薬局事業) |
25 |
ファルコホールディングス 売上高 :170億円(調剤薬局事業) |
26 |
札幌臨床検査センター 売上高 :109億円(調剤薬局事業) |